GTA6のPC版は、やはりコンソール版よりも後回しになりそうです。その理由は単に「技術的な問題」ではなく、意外にも「収益の問題」が大きく関係しているようです。この記事では、その背景を探りつつ、ゲーム業界の興味深い裏事情についても考察していきます。
GTAシリーズの圧倒的な売上
まず、GTAシリーズがどれだけ売れているのかを振り返ってみましょう。
・GTA5は2020年3月時点で1億3000万本、現在では2億本超えという驚異的な売上を記録。 ・販売本数の内訳（推測）：
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PS4/Xbox One版：約7500万本
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PS3/Xbox 360版：約3500万本
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PC版：約3000万本
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PS5/Xbox Series X|S版：約5000万本
こうして見ると、GTAシリーズの売上は圧倒的にコンソール版が中心になっています。PC版も売れてはいるものの、全体の比率で言えば20％程度。つまり、GTAの主要な市場はコンソールなのです。
GTA6がPC版を後回しにする理由
では、なぜGTA6はPC版の発売を後回しにするのでしょうか？
Take-Two Interactive（GTAシリーズを販売する会社）の最新の財務報告によると、2024年度の収益の内訳は以下の通り。
・モバイル：52％
・コンソール：40％
・PC＆その他：8％
ここから分かるのは、PC版の売上は会社全体の収益の中でかなり小さい割合しか占めていないということです。しかも、この収益には「GTA Online」などのマイクロトランザクション（課金収益）も含まれています。つまり、PC市場は単体で見ても、Take-Twoにとってそこまで重要なプラットフォームではない可能性が高いのです。
PC版のGTA Onlineは収益が少ない？
さらに興味深いのは、PC版の「GTA Online」はコンソール版に比べて収益性が低いと言われている点です。その理由は主に以下の2つ。
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チート問題
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PC版はチート行為が横行しやすく、不正にゲーム内通貨を入手するプレイヤーが後を絶ちません。
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これにより、PC版では課金アイテム（シャークカードなど）の購入率が低くなってしまう。
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プラットフォームごとの収益モデルの違い
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コンソールはゲーム内課金の手数料をプラットフォーム運営側（ソニーやマイクロソフト）と分け合うビジネスモデルになっており、メーカー側にも安定した収益が入る。
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一方、PC版はSteamなどのプラットフォームを通じて販売されるものの、売上の大部分は基本的に初回購入のゲーム本体の価格に依存する。
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こうした要因を考えると、開発会社としては「まずはコンソールで大々的に売り出し、ある程度の利益を確保してからPC版をリリースする」という戦略をとるのは理にかなっています。
GTA6のPC版はいつ発売されるのか？
過去作のスケジュールを振り返ると、GTA5は以下のような発売スケジュールでした。
・2013年9月：PS3/Xbox 360版発売
・2014年11月：PS4/Xbox One版発売
・2015年4月：PC版発売
この流れを考えると、GTA6もコンソール版発売から約1年後にPC版が登場する可能性が高いです。もしGTA6のコンソール版が2025年に発売されるとすれば、PC版は2026年末～2027年初頭に発売されるかもしれません。
PC市場は本当に儲からないのか？
ここまでPC市場の収益性が低いという話をしてきましたが、実は「全てのゲームがそうとは限らない」というのが面白いところ。
例えば、ソニー（PlayStationのメーカー）はこれまで長らくコンソール独占を重視してきましたが、最近ではPC版の展開にも積極的になっています。
・『Horizon Zero Dawn』
・『God of War』
・『Spider-Man Remastered』
これらのタイトルは、発売当初はPlayStation独占でしたが、数年後にPC版がリリースされて好評を博しました。ソニー自身も、「PC版の売上は思ったより良い」という趣旨のコメントをしており、今後はPC市場をより重視する可能性があります。
一方、GTAのような「マルチプレイでの課金収益を重視するゲーム」に関しては、やはりコンソール市場のほうが有利なのかもしれません。特に「チート対策がしやすい」「ゲーム内通貨の不正流通を防ぎやすい」といった理由から、PC版が後回しにされるのは理にかなっていると言えます。
まとめ
・GTA6のPC版が後回しになる理由は、技術的な問題よりも収益の問題が大きい。
・GTAシリーズの売上の大半はコンソールで、PC版の割合は20％程度。
・PC市場ではチート問題や収益性の低さが課題。
・過去の発売スケジュールを考えると、PC版はコンソール版の約1年後に発売される可能性が高い。
・ただし、PC市場の価値が見直されつつあるため、将来的に戦略が変わる可能性もある。
GTA6がどのような形で展開されるのか、今後の情報に注目しましょう。
